鍋島翁の爺通信

白秋 – 人生稔の秋です

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溜め込み症

今日の初診の方は、物を捨て切らないで悩んでいました。私と同じくらいの年齢でした。当時、子供の頃、両親から物を大切にしなさいと教えられた時代に育ちました。捨てることは、悪いことと思っていました。しかし、今は断捨離時代、使わない物は捨てるようになります。一番の悩みは、自分が大事にしているものを家族が捨ててしまうこと。一言「これ捨てていい?」という言葉。最近、そんな言葉をかけることがなくなっていますねえ。勝手に判断し、勝手に行動する人。一言いえばよいのに。

 溜め込み症に限りません。その人の重要な役割を、勝手に切っていく失礼な人、常識はずれ。自分がよくわかっていると錯覚している人。傲慢。無知。あらゆる分野にいますねえ。一言確認することが、なぜできないのでしょうか?プライド???私も何度かひどい目に遭いました。「ちょっと体調がすぐれないの?」とか一言かければ、人間関係はうまく行くのに。無理やり病院に行かせられて、診断名をつけて、辞めさせようとする極悪人。これは少なくとも、大学の要職に就く人の行う行動でしょうか。もし、自分がそうされたら、どんな気持ちになるでしょう。患者さんを診る資格なんてないでしょうね。結局、自ら退職されましたが。そうあってはならないことぐらい、常識的にわかりそうなのに。どんな立場にあっても、「一言」尋ねるというのは、大切な礼儀。この礼儀が守れない人は、必ず、同じ失敗で、不幸な出来事に遭遇することでしょう。「こうしたいのですが・・よろしいですか?」これは医療では、不可欠なインフォームド・コンセント。相手に確認をとらずに、手術をすれば、アウト。裁判ざたになります。そんな医療倫理の基本を忘れかけている人が稀にいます。

 今回の方は、溜め込み症のために、家族から一度精神科医に診察を受けて来なさいと勧められての受診。うつ状態でもないし、不安・不眠などメンタル不全の兆候はありませんでした。家族は家の中が片付かないのは、その人に病気があるからと思ったのでしょうか?私は、今、溜め込んでいるいろんなものを「これ必要?」「捨てた方がよい?」と尋ねることを勧めました。人の価値観は、人それぞれ。私にとって大切な物、家内にとって大切な物はかなり異なります。私が書斎に本や自分が書いた論文などは、家内にとってはゴミ、私にとってはタカラ。そうでしょうね。価値観が異なる環境で、お互い仕事をしたり、生活をしたりしていますよね。

 私が言いたいことは、ちょっとした言葉!「こうしますが・・・よいですが?」どんな場面でも、どんなに忙しくても、一言尋ねることは、お互いを尊重していることになりますよ。自分が行っている行動に気づかない人を度々みかけますので、トラブルになる前に、ひとこと尋ねることをお勧めします。


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