私は、S大とK大の教授をそれぞれ、18年、4年、経験しました。その中で、K大の前教授に電話で尋ねました。「K大医学部を卒業し、教授になられましたね。これ以上の目標なんか、ないでしょうね」「おまえは、人の欲がよくわかっていないな。ここまで来ても、さらに上を目指して、頑張るのが世の常なんだ」私はびっくりしました。何を求めるのか、と質問することはしませんでしたが。

欲というのは、際限がないようです。1つ獲得すれば、またもっと高い目標に向かって、挑戦することは一般的なのでしょうか。精神科の臨床では、そんな人見かけたことなかったので、驚いてしまいました。しかし、よく考えると、お金持ちはさらに金持ちになりたがる姿をみたことがあったので、欲というのは、際限がないのでしょうね。米国、日本、韓国の経済関係にしても、米国は日本からお金を奪い、米国は韓国からもお金を奪っている現実をみると、まだ、自分の知らない世界がありそうですね。

ところで、川北義則著の「男には七人の敵がいる」という本があるのは、ご存じでしょうか。理不尽な要求ばかりする上司。子どもと結託して文句しか言わない妻。味方だと思っていたら裏切られ、謂れなき嫉妬に足を引っぱられ…。対応ひとつ間違えば、周囲は面倒くさい敵ばかり。まさに「男は閾を跨げば七人の敵がある」。けれども、敵がいてこそ人は大きく成長できるのもまた然り。自分を磨くには、すぐれた好敵手は必要不可欠な存在と著者は指摘しています。ゆえに「彼を知り己を知れば百戦して殆からず」。上司・部下・同僚・妻・女・子・親。無駄な人間関係に振りまわされず、強く賢く生きるための超一流の男のふるまい。そう考えると、上司、部下、同僚、妻、女、子、親はみんな敵ばかりになってしまいますね。悲しい!

上司、部下、同僚、妻、女、子、親。相次ぐ敵をひらりと交わし、自分の中に棲む敵と向き合うには。一流の男が超えなければならない壁があります。

さて、私は65歳を越えて、定年退職の身分で、これから敵が現れてくるのでしょうか。これまで、いろいろな人と闘ってきましたので、しばらくは敵・味方関係なく、平穏な生活を送りたいですね。しかし、必ずや、敵と思える人が私に近づいてくるのでしょうね。私は騙されやすい性格ゆえに、リスクは高いと自分でも思っています。おそらく、私の性格をよく知っている家内が守ってくれるでしょう!?