鍋島翁の爺通信

白秋 – 人生稔の秋です

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うつ状態の最後の症状ーその改善は歩行ー

昨日も、フランス人が受診してきました。研究に対する意欲が向上しない、何事も意欲がみられなくなっています。どうすれば、もっと意欲を高めることができるのでしょうか。

この意欲低下の症状は、うつ状態あるいはうつ病の治療において、最後に残る最も難しい症状です。一般に、脳内ホルモン(アミン)では、ノルアドレナリンが関与しているという仮説があります。最近、SNRI(Serotonin Noradrenalin Reuptake Inhibitorの略語)の処方頻度が増加しているのは、意欲を高める作用がある脳内ノルアドレナリンの増加が期待されるからです。商品名では、サインバルタ、イフェクサーSRがその代表でしょうか。いわゆる、うつ状態・うつ病の治療における最終段階に入ったと思われる場合、脳内ノルアドレナリンの増加を促してあげた方がよいのです。あくまで、仮説ですが・・・・
 私は、患者さんには、うつ状態の仕上げは、足で治せ!といつも言っています。

人間の意欲は、基本的には、歩行によって、脳機能が高まります。私のうつ病体験においても、外に出て、公園をくるくる回ることで、この問題を克服しました。勿論、太陽光が当たる天気がベストですが。もともと、うつ状態になると、精神運動抑制という症状が伴うので、運動する気力もありません。寝る食うの生活の連続が続くでしょう。

この悪循環で、極端に筋肉量が減っていきます。体力の低下ですね。何もする気がしない、というのは、体力がかなり低下しています。この状態から、開放されるには、足を動かすしかないのです。足を動かすと、脳機能が活発になります。うつ状態にある人に最初から運動してくださいとは言いませんが、回復期には、意欲低下が最後の症状として残りますので、その時は、歩くことを勧めます。歩くことが治療の仕上げです。薬だけでは、うつ状態はよくなりません。


 うつ状態・うつ病は、足で治せ!この言葉を頭の片隅に置いていてください。足を使うことによって、自然治癒が促進されます。実は、これはうつ状態に限ったことではなく、多くの生活習慣病に当てはまることですがね!!!


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