鍋島翁の爺通信

白秋 – 人生稔の秋です

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涙(ラグリマ)

「ラグリマ」とはスペイン語で「涙」を意味します。一説によると、この「ラグリマ(涙)」はタレガの娘、コンチータの死に由来するそうです。1891年12月、タレガはマジョルカでの演奏旅行を終えて帰宅した際、妻(マリア・ホセ・リソ)からコンチータが3日前に亡くなった事を知らされます。
甘美で優しいホ長調の主題にもの悲しく感傷的な中間部が同主短調(ホ短調)で交代して現れるところに、タレガの娘に対する愛情と、その死に対する悲しみが表現されているのかも知れません。

 私は、学生相談の仕事で、多くの学生さんの涙を経験しました。1日に一人、二人、いや多いときは三人とか。「先生、ティシュもらえますか」「どうぞ、いくらでも。遠慮せずに泣いて、自分の気持ちを表現してください」看護師さんは、なぜ私のゴミ箱に毎日多くのティッシュが捨てられているのか、不思議がっていました。1週間に1箱から2箱。学生さんが涙を浮かべながら、自分の物語を表現していると思っていなかったようです。私も涙もろい性格で、学生さんの涙につられて、泣きたい気持ちを抑えながら、泣いていました。親の死、友人、研究室の同僚、彼女彼氏、みんな対象喪失ですね。中国語では、対象=恋人。昨日は、ペットロスの学生さんが受診してきました。両親は彼女の悲しみをある程度、わかっているとは思いましたが・・途中で、両親に席をはずして、とお願いしました。その後に、ずっと泣いていました。
 しばらく涙で感情を表現することで、気持ちが落ち着いたようでした。涙には、こころを落ち着かせる作用があるのでしょうね。

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