
約10年前、男子大学生が突然、ショックを受けて、相談室に訪れました。「どんなことがあったんですか」と尋ねると、「昨日まで、彼女と仲良く出来ていましたので、私が彼女に告白しました。翌朝、会うと、あなたは誰ですか?と拒否するような態度に激変しました。こんなことって、あるんですか」という内容でした。

最近、若者の間で「蛙化現象」が流行しているらしいのです。蛙化現象とは、好意を抱いている相手が自分に好意を持っていることが明らかになると、その相手に嫌悪感を持つようになる現象を指します。「好きだった相手」が「生理的に無理」と思うほど逆の感情になることから、グリム童話「かえるの王さま」に例えて、蛙化現象と呼ばれるようになりました。蛙化現象はノンセクシャクやリスロマンティックとは別と考えられています。ちなみに、リスロマンティック(Lithromantic)とは、相手に恋愛感情を持つものの、その相手から恋愛感情を持たれることを望んでいないセクシュアリティのことを指します。確かに、求めている何かが一旦自分の手に入ると、もう満足して、どうでもよくなる現象は、昔から稀にみられたことかもしれません。その現象が一般化し、流行しているというのが不思議です。

繰り返しになりますが、蛙化現象とは「好きな人や気になる人の些細な行動で突然気持ちが冷めてしまう」という意味で若者の間で流行っている言葉。相手の人を好きになるというのは、箸の持ち方、髪の毛のスタイル、食べ方、話し方、癖、仕草や言葉遣いなどを理解した上で、好意をもって、お付き合いを始めるのが一般的だと思うのですが。突然、ちょっとしたことで、大逆転な発想に展開することはショックでしょうね。特に男女交際という場面では、思春期・青年期では、まだ人間関係の免疫ができていない時期ゆえに、受ける側のこころにはかなりのトラウマになることでしょう。
今も昔も、男女の関係っていうのは、難しいんですね。しかし、友情は大切にしていきたいですね。
















